【5話】「動き出す輝」(スプライト)
「ねぇ!輝君の弁当ちょっとちょうだい!」
葵が口を開いた。
「え、い、いいけど…」
口がごもる。
葵は俺に気を遣っているのだろうか。
楽しくないんじゃないか。
そんなことばかり考えてしまう。
・・・
「もう我慢出来ない!」
葵が大声を出す。
はぁ、やっぱり楽しくなかったのか。
そう思わざるを得なかった。
「輝君さ!自分に自信がないんでしょ!もっと明るく話せないの!?
せっかくのお昼なんだし、最初はみんなと馴染めなくて
緊張してるのかもしれないけどさ、もっと自分出していこうよ!」
おっしゃる通り。
僕はなんでこんな根暗なんだろ。
せっかく葵に話しかけてもらったのに。
嫌われちゃったな…。
「私が輝君を変えてあげるから!」
「はい…。わかりました…。」
話を聞く余裕すらない輝。
葵が言った言葉の意味を考える前に返答してしまう。
「じゃあ今日は一緒に帰るよ!わかった?」
「え、ちょっと、待って!?」
「返事は『はい!』わかった?」
「はい!」
〜
意味も分からず、返答した輝。
転校早々、恋の予感。
少しずつ動き出す輝にさらなる試練!?
次回「恋に落ちる音」
お楽しみに〜!!
【4話】「こうじゃなかった 」(ウィンストン)
葵から一緒に食べようと誘いが来た。
「う、うん」
弱々しい返事をしてしまった。
すると葵が
「君ってもしかして…ううん、やっぱりなんでもない!
それよりさ!なんて呼べいいかな?原石君?それとも輝君?」
僕は
「どっちでもいいよ」
どーしても明るく振る舞えない自分にムカついてくる。
女子と楽しいランチタイムのはずが沈黙が続いてしまった。
次回「動き出す輝」
【3話】「ランチタイム」(がぶたろう)
チャイムの音が消えると共に、皆が席から立ち上がった。
この時間は僕の嫌いな時間だ。
前の学校での出来事は言いたくない。
皆んなが楽しく笑う声が嫌いだった。
1人になるのが…怖かった。
昼休みが始まり皆各々の場所へと移動を始めだした。
取り残されたらダメだと思った時、葵から声がかかる。
「 一緒に … 食べない? 」
次回「こうじゃなかった」
【2話】「高まる鼓動」 (ばる)
「よ、よよろしくお願いします!!」
元気いっぱいな彼女の声に乗せられるように、
反射的にそう答えてしまった。
「やっちまった…クラスのみんな、
絶対引いたよなぁ…」
教室中からクスクスと笑い声が聞こえる。
自分の顔が紅潮して行くのがわかる。
彼女が僕の右隣の席に着いた。
彼女の着席を待っていたかの様に、
HRの終わりを告げるチャイムが鳴った。
次回「ランチタイム」
【1話】「転校先での自己紹介」(スプライト)
転校初日の朝が来た。
「いってきまーす。」
5月の中旬にしてはとても暖かい。
「では、今日から新しい仲間が増えます。自己紹介を。」
担任の佐々木。いかにも体育系って感じの先生だ。
「原石 輝(ハライシ ヒカル)です。今日からよろしくお願いします。」
自己紹介ですら弱々しい。
大嫌いな根暗の自分が邪魔をする。
「今日からよろしくな。輝の席はあそこだ。」
案内されるまま席に着く。
隣には見るからにバカ真面目な男子。
反対の席には誰も居ない机。
恋愛小説みたいには、いかないか。。。
・・・
(ガランッ)
扉を開ける音が教室中に響く。
そして扉の向こうの窓から差し込む光と共に、扉の前に立っている彼女はこう言った。
「転校生!初めまして!私は葵!よろしく!」
〜
転校初日に訪れる脱根暗のチャンス。
果たして、原石輝は脱根暗出来るのであろうか。
次回「高まる鼓動」
待ってろ!ハッピースクールライフ!
お楽しみに。
【新連載】 「プロローグ 」 (ウィンストン)
僕はよく根暗と言われる。
そんな日常がとても嫌だった。
突如父親の転勤で転校が決まった。
僕は次の学校では脱根暗を目指すと心に決めたのであった…
高校2の5月中旬
ここから根暗と言われる主人公の人生が逆転する物語が始まる
次回
転校先での自己紹介
【最終話】「決着」(さおぺろ)
幾つものオーラが、クレイジー松岡を包み込む。
意識を取り戻した。クレイジー松岡。
気がつくと周りには、
阿部礼二、MAX礼二、MAX岡部。
みんなの姿がある。
彼らは頷いた。
クレイジー松岡の胸元に光るカラータイマー。
クレイジー松岡は胸の前で両腕をバツ印にする。
光り輝く両腕。
クレイジー松岡「えいやーっ」
その言葉と共に、両腕から光線が放たれる。
親父「ぬわーーーっ」
・・・・
気がつくと、俺はベッドの上にいた。
そしてこう呟く。
「だよね、夢だよね。」
【阿部礼二、夢物語】-完-
ご視聴ありがとうございました。
第2弾もお楽しみに。