4人5脚

メンバー: <ばる・スプライト・ウィンストン・がぶたろう>ルール:物語を書いて次にパス。題名・次回予告も物語を書いてる人に決めてもらいます。ツイッターやってます。

【8話】「空回り」(スプライト)

ベッドの上で今日の出来事を思い出す。

 

「歌…覚えよう…。」

 

 

・・・

 

 

(ジリリリリリ)

目覚まし時計を止める。

 

いつの間にか寝てしまってたようだ。

 

「いってきまーす。」

 

 

教室に着くなり席に着く。

相変わらず葵はまだ来ていないようだ。

隣の馬鹿真面目な男子は教科書を読んでいる。

 

「お、おはよう…。」

 

「・・・」

 

愛想のない人だな。

心の中で叫んだ。

 

 

「おっはよー!」

葵が教室に入るなり叫ぶ。

席に着く前に葵が輝の机の上を勢いよく叩く。

 

(バンッ)

 

「お・は・よ・う!」

 

「お、おはよう!」

 

「昨日より元気はいいみたいね!」

 

「う、うん!」

 

朝から心臓が高まる。

 

 

チャイムと共に担任の佐々木が教室に入って来た。

「昨日掃除をサボった人ー?」

 

「は、はい。」

小声で輝が答える。

 

「あっ私です!輝君に掃除の担当場所を

伝え忘れて2人で帰ってしまいました!」

 

「え!?」

輝は訳も分からずただただ驚く。

 

「じゃあ今日は2人で教室の掃除をするように。」

佐々木が体育系さながらの罰を与える。

 

 

葵は笑っている。

なんでこんなに明るいんだろう。

 

「じゃあ今日も一緒に帰ろっか!」

 

「う、うん!!」

 

 

 

4時間目のチャイムが鳴る。

「葵…今日のお昼も一緒に食べない?」

 

 

「ごめん!今日お昼忙しいんだ!」

 

断られてしまった。

一気に自信がなくなる。

 

廊下で待っていたのは、隣のクラスの男子だった。

葵と隣のクラスの男子が笑いながら廊下を歩く姿を見て、泣きたくなる輝。

 

 

結局浮かれてるだけだな僕・・・。

 

 

 

 

6時間目のチャイムが鳴り、2人きりの掃除の時間が来た。

少しだけ気まずい。

 

 

「輝君!この後どこか行く?」

 

「あ、あぁ…ごめん。今日帰り寄らなきゃいけないところあったんだった。」

 

隣のクラスの男子が気になって。

そして全てにおいて負けている。

そんな気持ちからか嘘をついてしまった。

 

「そうだったの!?じゃあまた今度だね!」

 

「そうだね…」

 

 

帰り道。

夕日を背中に輝はゆらゆらと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

隣のクラスの優等生。

空回りの原石輝。

頑張れ原石輝!!

 

 

次回「輝の本気」

 

 

 

原石輝は変われるのか!?

お楽しみにー!