【9話】「輝の本気」 (ばる)
帰り道の途中、昨日行ったカラオケの前を通りがかった。
「葵、歌うまかったなー」
・・・
「ん?」
前から左隣の馬鹿真面目が歩いて来た。
「あっ」
思わず声が出る。
(どうしよう…名前忘れちゃった)
「なに見てんの?」
馬鹿真面目が話しかけて来た。
「い、いや…」
「君も一人カラオケ?」
「え?いや、俺は…」
少し考える馬鹿真面目。
「あーなるほど。練習しに来たんだ。」
ニヤニヤしながら馬鹿真面目は言った。
そんな事はなかったが、何故だか何も言えない。
「負けた奴が奢りなー!」
無理やり連れて行かれる輝。
・・・
カラオケから出る頃にはお互い名前で呼ぶくらいの仲になっていた。
「じゃあな輝!また奢れよ!」
「うるさいなー!また明日ね!春起!」
そう言って家に戻った輝は、再度脱根暗を頑張ろうと決心したのであった。
次回 「輝け!学校生活!」
お楽しみに〜!