【6話】「恋に落ちる音」(ばる)
6時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
挨拶が終わると彼女は強引に僕の腕を掴み、
引っ張る。
「ち、ちょっと!まだ掃除が…」
彼女は僕の言葉を遮る様に言い放った。
「カラオケ!! いくわよ!!どうせいったことないんでしょ?」
図星だった。
葵に手を引かれるまま街を歩く僕、
彼女が歩くのが速いせいか、鼓動が速まる。
「カラオケにいくって僕、歌なんて全然歌えないよ?」
「良いじゃない!これから練習すれば!!
コツとか教えてあげるわよ!」
どうやら本気の様だ
次回「二人の距離」